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2022年オフィス防災で必要なこと

オフィス防災って個人の備えと何が違うの?災害時の罹災人数・避難経路の確保方法の観点から オフィス防災について今の時代に必要なことを見直してみたいと思います。

オフィス防災には何が必要なんだろう?

あなたがもし会社の防災担当に任命されたら…
一体何が必要なのか、すぐに思い浮かべられるでしょうか。

大きな地震が来てしまったら…
突然のビル火災に巻き込まれてしまったら…
個人で備えてはいるけれどオフィスで必要なものは違うの…?

などなど、じっくり考えてみるとわからないことが多く出てくるのではないでしょうか。

そこで、災害時の罹災人数・避難経路の確保の観点から
オフィス防災について今の時代に必要なことを見直してみたいと思います。

 

オフィス家具は壁固定・レイアウトで安全性を

大型家具は転倒防止金具、ボルトで壁固定や上下連結をする

防災で重要なことの一つに、避難経路の確保があります。
オフィスには大型の書庫やワーキングデスクなど、大人が一人では動かせない大きい家具が沢山あります。

オフィス家具が地震や火災で転倒してしまうと大きなケガだけでなく
避難経路の確保が十分にできず非難が遅れてしまう可能性が出てきます。

何十人もいる従業員が安全かつスムーズに非難するには日ごろから避難経路の確保を意識しておく必要があります。
東京都の防災ホームページではオフィスの防災において下記が推奨されています。

  • オフィス家具は金具で床、壁下地の鉄骨、コンクリート等とボルトで固定する
  • 上下二段式の家具は上下を連結しないと上段が落下する危険があるので上下連結する
  • ガラスには飛散防止フィルムを貼る
  • 重い収納物を下に入れ、重心を下げる    
  • メインとなる避難経路は直線状に確保し、幅1.2メートル以上を確保しておく

 (出典:東京都防災ホームページ より一部転載)

避難経路の確保には、
脱出口への動線上に障害物が倒れてこないように工夫することと
脱出口付近にも普段から物を置かない・ドアの開閉ができる状態を維持することを心がけましょう。

 

 

パーテーションはレイアウト次第で安定感がUP

飛沫防止用にも多くの場所でパーテーションが使われていますね。
スペースの間仕切りにも使われる大型のパーテーションは、
直列のレイアウトよりもコの字型やH形のレイアウトの方が安定性が高くなります。

また、壁や床に固定ができない場合でも
デスクや壁を使ってパーテーションをはさみ込むなどの工夫で転倒防止を図ることができます。

今のレイアウトが安全かどうか?一度見直しをてみてはいかがでしょうか。
安定脚の追加やレイアウト変更だけで転倒する確率を下げられる可能性があります。

卓上タイプのパーテーションの場合は、
安定脚の裏に貼るすべり止め防止や固定するシールなどで転倒防止策をとることができます。

同様に、デスク上のレターケースやモニター・PCなどを平置きしている場合にも
滑り止めシールや固定シールでテーブルからの落下物を緩和することが可能です。

 

備蓄品のアップデート

時代に合わせた豊富な備蓄品セット

これまで、備蓄品といえば食料・水・毛布などが物品ごとに箱詰めされていて
有事には一点ずつ配布するというスタイルが多かったように思います。

ところが近年では、ソーシャルディスタンスや無用な接触を避ける観点から
一人分に必要な備品がセットになりそのまま配布できる備蓄品セットが販売されています。

A4サイズのコンパクトな段ボールに最低限の水・食料・マスク・手拭きなどが入ったものや
「帰宅セット」として、夜道に歩いて帰るための反射板や雨合羽などが入ったものまで現代の備蓄品は非常に多様です。

コンパクトなサイズの備蓄品は個人保管もしやすくオフィスの自席に常備しておくことも可能です。
入社と同時に各社員に配布する取り組みをしている企業もあるそうです。

 

盲点になりがち トイレゴミの処理

防災でぜひ備えていただきたいのはトイレゴミの処理環境です。

水道や電気が止まってしまった時、
50人が3日間滞留した場合のトイレゴミはなんと225kgにも及びます。
(50人×300ml(1回分)×1日5回×3日間)

ごみの収集がスタートするまでにこれらのごみを含めて
避難場所に衛生的に滞留できる備えや環境づくりが必要です。

簡易組立便座やトイレゴミ専用の回収バッグ、トイレットペーパーなど衛生用品に加え
停電時用の照明・手洗い代わりの消毒スタンドなども必要となります。

トイレゴミ対策が後手に回ってしまうと
虫が湧いたり滞留しているエリアにまで悪臭が充満し滞留ができなくなったりなどの弊害が生じかねません。

複数名が数日間ミスなく運用できるようなオペレーションまで考えておく必要があります。

 

個人で用意できると良いグッズ

会社に備えてもらえるのは必要最低限の備えと思っておきましょう。
個人が非難する際に必要なものとしては

  • 自宅まで歩いて帰れる靴(スニーカー)
  • モバイルバッテリー
  • 少額の現金
  • 小腹が満たせるお菓子類
  • 常備薬やマスク(ハンカチ)

などが挙げられます。

公共交通機関が止り、再開のめどが立たなくても長時間活動できるような靴が必要です。
ハイヒールやミュール、ビジネス用の革靴では瓦礫などを超えて長時間歩き続けるのは困難です。
可能であればオフィスの自席に避難用の靴を用意しておきましょう。

また、今の時代は全ての情報がスマホに詰まっています。
キャッシュレス決済がメインで現金をあまり持ち歩かない方も多いのではないでしょうか。

被災時には電気が止まることを想定し少額の現金を手持ち品に忍ばせておきましょう。
また、家族との連絡手段や災害情報の取得のためにモバイルバッテリーも備えておけると心強いでしょう。

 

いかがでしたでしょうか。
もうすぐ秋の防災シーズンに入りますね。
ぜひ、この機会にオフィス防災についてアップデートし社員の安全を守れるようにしていきましょう。