インテリア

20世紀のモダニズム建築からオフィスへ

近代建築のビッグ3の1人・ミース・ファン・デル・ローエが提唱したユニバーサルスペースや彼が現在に与え続けている影響を超個人的見解を踏まえて考察してみました。

ルートヴィヒ・ミース・ファン・デル・ローエ  (1886-1969)

20世紀のモダニズム建築を代表する、ドイツ出身の建築家。

ル・コルビュジエ・フランク・ロイド・ライトと共に、近代建築の3大巨匠とみなされる。
現代美術やプロダクトデザインに多大な影響と功績を残しモダンデザインの枠組みを確立した美術学校Bauhausの第3代校長を1930年から務めたが、1933年にナチスによりBauhausは閉鎖される。
その後アメリカに亡命し現在でも数々のフォロワーとリスペクトを集める建築を数多く残しました。
Bauhausは1919年から1933年の14年間のとても短命で幕を下ろしてしまいましたが、
現代でもBauhausデザインが礎となっていると強く感じます。

ミースは魅力的な男

個人的にミースがビッグ3の中で1番好きな理由の1つに大学で正式な建築学を学ばず地元の職業訓練学校で製図に関する教育のみで漆喰装飾のデザイナーとしてキャリアをスタートさせ、ここまでのキャリアハイを叩き出したがアカデミックなバックグラウンドからの出自ではなく突出した非凡なセンスで数々の建築や家具の名作を作り上げた事です。

プロダクトにおいてシンプルで誰もが理解し扱いやすいものをデザインするということや、
シンプルと利便性のバランスを取ることは容易ではありません。

また、数多の作品群に統一されているのは、シンプルかつその先にある洗練された美しさが一貫して保有していると感じます。
家具や建築が芸術に昇華され作品と呼ばれる様になりそのデザインが踏襲され現在にまで地続きで存在していると言う事実が全てを意味していると感じます。

 

ミースが現代に残した空間「ユニヴァーサル・スペース(Universal space)」

ミースは柱と梁によって繰り返される均質な構造体を徹底的に追及した上で、その内部空間を限定せずにあらゆる機能を許容して自由に使えるようにするという「ユニヴァーサル・スペース(Universal space)」を提唱します。

モダニズム建築の理念の1つで、その当時の居住空間は煉瓦や石で築かれ部屋と部屋の間は厚い壁で仕切られていましたが、
床と天井を最小限の柱と壁でつないで自在な内部空間を確保し、床の平面を最大限に広く使う
近代生活の多様性に応じる自在なスペースを住居空間へ設計しました。

また、伝統や習慣と言った建築を限定的にする要素からの解放する概念でもあったようです。
この建築概念が世界中に伝播し、現在のオフィスやオフィスビルのモデルとなったと言われています。

そんなミース・ファン・デル・ローエが提唱したユニヴァーサル・スペースが日々時代と共に形を変え世界中で現在も広く使われており、そこに付随する商品を販売している身としては勝手に感慨深く思う事は無いが、オフィス家具や弊社で取り扱いがある商品の中にもミースの片鱗が細部に宿っている商品もあるかと思います。

最後にミースが一貫してテーマにしていた自分が好きな言葉で締めたいと思います。

Less is more (より少ないことは、より豊かなことである)